第6章

下品なので番外編として扱います。コチラから。

もちろん、俺と凪はいつも一緒にいるわけじゃない。だからこそ、今日は先日気になっていた件――コンドームについてを片付けてから、誰かを誘って何かしようと決めていた。
「凪……」
俺は一度彼女の名前を呼ぶ。
「なに?」
凪が首をかしげながらこちらを見る。その無邪気な仕草に、少しだけ言い出しにくくなるが、ここで黙っているわけにはいかない。
「あのさ……コンドーム、様子見って言ってたけどさ」
孝が最初に工具セットを要求した時のことを思い出す。あの時は、監視カメラに向かって頼んだだけですぐに届いた。監視カメラに向かって叫べば、コンドームも出てくるのだろうか……?そんなバカなことを考えつつ、俺は凪に視線を向ける。
「あ〜……叫んでみようか」
「待て、お前が!?」
慌てて凪を制止する。いくらなんでも女の子にそんな恥ずかしいことをさせるわけにはいかない。
「……」
「……」
しばしの沈黙が続く。互いに言い出せずにいると、凪が勢いよく口を開いた。
「言えないなら私が言うけど!」
俺が「いや、俺がやる」と言う間もなく、凪は監視カメラに向かって大きな声で叫び出した。
「すみませーーん!ゴムくださーーい!!」その瞬間、部屋の空気が凍りついた。全員が一斉に凪の方を見る。その視線の鋭さと重さに、俺は思わず頭を抱えたくなる。
「お……お前さ……」
俺の顔がみるみる赤くなるのが自分でも分かる。
「でもさ、ゴムとしか言ってないし」
「だからダメなんだろうが!!」
凪が分かって言ってるのか、分かってないのか――全くもって謎だ。しかし、一つだけ明確な事実がある。この部屋にいる全員が、凪と俺が行為に至ることを知ってしまったということだ。
ふと、とある方向からの視線を感じる。……環だ。彼の視線がこちらに刺さるようだ。人の恋愛事情に興味があるのか、それとも凪に特別な感情を抱いているのか――どちらにせよ、俺はその視線を無かったことにする。
数分後、物音と共に荷物が届いた。
「あっ、よかった、ゴムだ」
凪はそう言うと、さっと箱を開けて中身を取り出した。
彼女がまず手にしたのはヘアゴム。そして、輪ゴム――最後に、件のコンドームだ。
「スッキリ〜」
凪は満足そうに髪を結ぶ。その自然な動きと演技が見事すぎて、全員が何も言えなくなった。
「……ゴムゲット♪︎」
凪が小さな声でそう言いながら、ニヤリと笑う。その手元には、しっかりと「目的のゴム」も握られている。
「な、ナイスだ……!ガードナーも、お前も……」
俺は呆然としながら、凪を見つめる。結果良ければ全て良し――そう思うしかない。
凪の無邪気な笑顔を見て、俺は心の中で安堵しつつも、何か言葉にできない不安が残るのを感じた。